単元1: 材料と加工の技術
ものづくりの基本となる「木材」「金属」「プラスチック」の特徴や性質、製図のルール、そして工具の正しい使い方について整理します。特に工具の使い方は、テストで図入りの問題として非常に出題されやすいので、イラストと一緒に確実に覚えましょう!
1. 木材の特徴と分類
木材は、切り出し方や木の成長過程によって性質が異なります。テスト頻出ワードが満載のセクションです。
① まさ目材と板目材
丸太からの切り出し方によって、木目の見え方や変形のしやすさが変わります。
- まさ目材(まさめざい):年輪に対してほぼ直角に切り出した板。年輪が平行な縞模様に見え、乾燥したときの変形(反りや収縮)が少ないのが特徴です。
- 板目材(いためざい):年輪の接線方向に切り出した板。木目がタケノコのような山形模様になり、乾燥すると木表(樹皮に近い側)の方向に反る性質があります。
平行な木目が美しい「まさ目材」
乾燥すると木表側に反る「板目材」
② 針葉樹と広葉樹
- 針葉樹(しんようじゅ):スギやヒノキなど。軽くて柔らかく、加工しやすいため建築材などに使われます。
- 広葉樹(こうようじゅ):ケヤキやナラなど。重くて硬く、傷つきにくいため主に家具などに利用されます。
硬くて丈夫な広葉樹材
③ 年輪と木の部位
- 心材(しんざい):幹の中心に近い、色の濃い部分。成長が止まっており、硬くて虫がつきにくく、変形しにくい。
- 辺材(へんざい):樹皮に近い、色の薄い部分。水分や養分を通すため柔らかく、水分を含みやすい。
- 早材(春材):春から夏にかけて急速に成長した部分。色が薄く、柔らかい。
- 晩材(夏材):夏から秋にかけてゆっくり成長した部分。年輪の色の濃い部分で、硬くて緻密です。
色の濃い「心材」と外側の「辺材」
年輪の濃い境界線をなす「晩材」
④ 木質材料(人工木材)
無垢の木材が持つ「乾燥すると変形しやすい」「幅の広い板が取れない」という弱点を克服した人工の材料を木質材料(もくしつざいりょう)といいます。
- 合板(ごうはん):薄くむいた木製の板(ベニヤ)を、繊維方向が交互に直交するように重ねて接着した板。
- 集成材(しゅうせいざい):小さな木材を繊維方向にそろえて接着した材料。長さや強さを自由に作れる。
- その他:パーティクルボード(木材チップを接着)、ファイバーボード(木材繊維を接着)など。
様々な人工木材(合板・集成材等)
2. 金属とプラスチックの性質
① 金属の性質
- 熱や電気を伝えやすい(導電性・熱伝導性)。
- 展性(てんせい):たたくとうすく広がる性質。
- 延性(えんせい):引っ張ると細く伸びる性質。
- 合金(ごうきん):溶かした状態で他の金属などを加え、冷やして固めたもの。強度やさびにくさが向上する(例:ステンレス、真鍮)。
たたくとうすく広がる「展性」
さびにくく強い「合金(スチール缶等)」
② プラスチックの性質
熱に対する変化の違いによって2種類に分類されます。
- 熱可塑性(ねつかそせい)プラスチック:熱を加えると柔らかくなり、冷やすと固まるプラスチック(例:PET、ポリエチレン)。リサイクルしやすい。
- 熱硬化性(ねつこうかせい)プラスチック:熱を加えると硬くなり、再び熱しても柔らかくならないプラスチック(例:メラミン樹脂)。熱や電気に非常に強い。
熱を加えると変形できる熱可塑性プラスチック
3. 製図のルールと描き方
図面の描き方や線・記号の意味は記述問題でもよく狙われます。
① 製図法
- 等角図(とうかくず):斜め上から見た立体図で、幅・高さ・奥行きの3方向の軸で作る角度を等しく(通常30°)描く図法。
- キャビネット図:正面をそのまま描き、奥行きを45°傾けて実寸の半分(1/2)の長さで描く図法。
- 第三角法による正投影図:正面図、平面図、側面図の3つで表す、最も正確な図面。
30°の基準線をもとに描く「等角図」
② 図面に使う線と寸法補助記号
- 外形線(がいけいせん):対象物の見える外形を表す、太い実線。
- かくれ線:陰に隠れて見えない部分を表す、破線(点線)。
- 中心線:対称軸や中心を示す、細い一点鎖線。
- R:半径(Radius)を表す寸法補助記号(例:R5=半径5mmの円弧)。
- t:板の厚さ(thickness)を表す寸法補助記号(例:t12=板厚12mm)。
図面の輪郭をはっきり示す「外形線」
角の半径を示す記号「R」
4. 木工用工具の正しい使い方
ペーパーテストで実技手順として最もよく狙われる工具の操作方法です。
① さしがねによる「けがき」と「切断線」
- 材料から部品を取るために、材料の表面に線を引くことをけがきといいます。
- 直角に線を引くときは、さしがねの内側を材料の基準面に当てて使用します。
- のこぎりの刃の厚み(1mm程度)を考慮し、仕上がり寸法線の数ミリ外側に切断線(切りしろ)を引きます。
さしがねの内側を当てて直角を測る
のこぎり刃の厚みを考慮した「切断線」
② のこぎり(両刃のこぎり)
- 縦びき用の刃:木目の方向に沿って切るための刃。刃先が「のみ」のようになっており、繊維を削り取る。
- 横びき用の刃:木目の方向を遮って(直角に)切るための刃。刃先が「小刀」のようになっており、繊維を切断する。
- あさり:のこ刃が左右にふり分けられている構造。切り口の幅をのこ身の厚さより広くし、摩擦を防いで引きやすくする効果があります。
- 切り方:のこぎりは引くときに力を入れます。切り終わりの直前は、端が欠けないように軽く引き、端を他の人に支えてもらうか、左手で支えます。
切り口を広げて引っかかりを防ぐ「あさり」
のこぎりは引くときに切れる(引き切り)
③ かんな
- かんな身:削る厚さを調整する刃。
- 調整方法:刃を出すときは、かんな身のかしらをハンマー(げんのう)でたたきます。刃を引っ込める・抜くときは、台じりをたたきます。
- 木口(こぐち)の削り方:年輪の断面である「こぐち」は非常に割れやすいため、端まで一気に削らず、まずは3分の2ほど削り、裏返して残りを削るようにします。
刃を出すときは「かんな身のかしら」をたたく
木口は両側から(2/3ずつ)削る
④ 釘(くぎ)打ちとねじ止め
- 釘の長さ:板の横の面(こば)に釘を打つとき、釘の長さは板の厚さの2.5〜3倍のものが適切です。
- 釘の打ち方:打ち始めは平らな面で、最後は板を傷つけないようにげんのうの曲面(凸面)で打ち込みます。釘が曲がったら「くぎ抜き」で抜きます。
- ねじ止め:ドライバーでねじ止めをするときは、ねじ込むほど大きな右回し(時計回り)の力が必要になります。
板厚の2.5〜3倍の釘を使用する
ねじは時計回りに回して締める
🔥 定期テスト対策・暗記のコツ
① まさ目・板目の反りの違い
「まさ目は平行・変形少」「板目は山形・木表側に反る」。この対比は選択問題で100%と言っていいほど出題されます。木表が「樹皮に近い=外側」であることも覚えておきましょう。
② かんな調整の「たたく場所」
「刃を出す ➔ かんな身のかしら(金属部分の頭)」「刃を引っ込める ➔ 台じり(木製台の後ろの角)」。台がしらをたたくと刃が出てしまうので注意!
③ のこぎりの縦びき・横びき
「木目に沿う ➔ 縦びき」「木目を横切る ➔ 横びき」です。縦びきは繊維を削るため刃が粗く、横びきは繊維を断ち切るためカッターナイフのような細かい刃が並んでいます。