中学音楽(鑑賞曲)
鑑賞曲③ (アイーダ・歌舞伎「勧進帳」・文楽)
西洋の歌劇であるオペラの傑作「アイーダ」、そして日本の誇るユネスコ無形文化遺産である伝統芸能「歌舞伎」と「文楽(人形浄瑠璃)」の3作品を解説します。演劇と音楽が融合した「総合芸術」としての特徴や、テスト頻出の重要キーワードを整理しましょう!
1. ヴェルディ「アイーダ」
音楽・文学・美術・舞踊などが融合した「総合芸術」であるオペラ(歌劇)。
① 基本データ
- 作曲者:ヴェルディ(イタリア出身の後期ロマン派を代表する作曲家)
- 演奏形態:オペラ(歌劇)
- オペラの定義:演劇に音楽、文学、美術、舞踊などの要素を組み合わせた総合芸術。
- 伴奏:オーケストラ(管弦楽)が担当します。
- オペラの起源:16世紀末にイタリアで誕生しました。
- 幕の数:全部で4つの幕からできています。
- 物語の舞台:古代エジプト
- あらすじと分類:エジプトの将軍ラダメスと、敵国であるエチオピアの王女アイーダの愛と葛藤を描いた悲劇(ひげき)です。
2. 歌舞伎「勧進帳(かんじんちょう)」
左:歌舞伎役者の隈取 / 中:勧進帳の舞台「安宅の関」の挿絵 / 右:客席を縦断する「花道」
① 基本データ
- 成立した時代:江戸時代(慶長年間に「出雲のお国」がかぶき踊りを始めたのが起源です)
- 使う音楽:長唄(ながうた)(三味線音楽の代表格で、劇的な物語を長く歌い上げるもの)
- 音楽の三つの役割:
- 唄方(うたかた):物語の言葉や感情を歌う役割。
- 三味線方(しゃみせんかた):伴奏や曲の雰囲気を奏でる役割。
- 囃子方(はやしかた):打楽器や笛を演奏し、効果音やリズムを作る役割。
- 囃子方が使用する主要楽器:小鼓(こづつみ)・大鼓(おおつづみ)・能管(のうかん)(この3つは特に記述で出題されます)
② 「勧進帳」の物語と演出
- あらすじ:兄・源頼朝に疑われ追われる身となった源義経一行。弁慶は義経を守り、変装して関所を越えようとします。
- 安宅の関所(あたかのせきしょ) ➔ 石川県小松市にあった関所。ここで関守の富樫左衛門に怪しまれます。
- 勧進帳の読み上げ ➔ 弁慶は疑いを晴らすため、手元にあった白紙の巻物を取り出し、さも本物の勧進帳(寺院建立の寄付帳)であるかのように堂々と読み上げます。
- 延年の舞(えんねんのまい) ➔ 関所を通ることを許された後、弁慶が感謝とお礼のために舞う、古風で厳かな舞。
- 飛び六方(とびろっぽう) ➔ 劇のクライマックスで、弁慶が主人・義経の後を追って引き揚げる際に行う、手足を大きく豪快に振って進む歌舞伎独特の演技。
- 花道(はなみち) ➔ 飛び六方を行う舞台から客席へとまっすぐ貫く通路。
- 隈取(くまとり) ➔ 歌舞伎独特の化粧法。顔の筋肉や血管を誇張するように赤や青の線を引くもので、弁慶は強い正義感を表す赤色の隈取を施します。
3. 文楽(ぶんらく)
太夫の熱い語りと太棹三味線の響き、3人の息が合った地唄と人形の動きが一体となる伝統人形芝居。
① 基本データ
- 別名:人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)
- 成立した時代:江戸時代(17世紀末に大坂で成立しました)
- 創始者:大坂で「義太夫節」を始めた竹本義太夫(たけもとぎだゆう)。
- 使う音楽:義太夫節(ぎだゆうぶし)(浄瑠璃の代表的な一流派)
- 演奏形態:語り手である太夫(たゆう)と、伴奏の太棹三味線(ふとざおしゃみせん)がペアで演奏します。太棹三味線は通常のものより棹が太く、低く力強い音が特徴です。
② 三人遣い(さんにんづかい)の仕組み
文楽の主要な人形は、息を合わせて3人の人形遣いで操られます。
- 主遣い(おもづかい) ➔ 人形の「首(かしら・顔)」と「右手」を操るリーダー。
- 左遣い(ひだりづかい) ➔ 人形の「左手」を操る。
- 足遣い(あしづかい) ➔ 人形の「両足」を操る(女性の人形には足がないため、裾を動かして足があるように見せます)。
③ 代表的な演目
- 『新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)』 ➔ 大坂を舞台に、久松とお染・お光という2人の女性をめぐる悲劇的な三角関係の恋愛模様を描いた名作。
- 『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』 ➔ 源平合戦で平家が滅亡した後、平知盛など平家の武将たちが生き延びて、義経への復讐を企てる歴史ファンタジー。
🔥 定期テスト対策・暗記のコツ
① オペラの「総合芸術」と発祥地
オペラは音楽・文学・美術・舞踊を合わせた「総合芸術」であること、また発祥地は「イタリア」(16世紀末)であることを選択肢や穴埋め問題でよく聞かれます。必ず暗記しておきましょう。
② 勧進帳の「飛び六方」と「安宅の関」
弁慶が花道を退場する際のアクションは「飛び六方(飛び六法)」です。また、物語の舞台となった関所は「安宅の関所(あたかのせきしょ)」です。漢字で書けるように練習しておきましょう!
③ 文楽の「三人遣い」の役割分担
主遣いが「首(顔)と右手」、左遣いが「左手」、足遣いが「両足」を担当します。「主遣いが何を操るか」は本当によく出題されるため、右手と首であることを確実に暗記してください!