9. 北海道地方
北海道地方は、日本の総面積の約5分の1を占める広大な地域で、他の地方とは大きく異なる気候や歴史的背景を持っています。世界遺産の知床や広大な釧路湿原などの雄大な自然、先住民アイヌや屯田兵による開拓の歴史、そして大型機械を用いた日本屈指のスケールを誇る「大規模農業」や「酪農」の工夫について分かりやすく解説します!
1. 北海道の豊かな自然と気候
日本で唯一冷帯に属し、手つかずの広大な自然環境が数多く残されています。
図1:広大な草地を利用して、冷涼な地域で乳牛を育てる「酪農」の風景
- 雄大な地形:中央部には旭岳を最高峰とする険しい大雪山(たいせつざん)があり、石狩平野を流れて日本海に注ぐ日本第2位の流域面積を持つ石狩川が流れます。
- 世界遺産と湿原:東部の知床(しれとこ)半島は、冬に流氷が見られるなど海と陸の豊かな生態系が守られており、世界自然遺産に登録されています。また、ラムサール条約に登録されている日本最大の釧路湿原(くしろしつげん)があります。
- 北海道の気候:冷帯に属するため冬の寒さが極めて厳しいですが、日本で唯一梅雨がなく、台風の被害を受けることも比較的少ないのが特徴です。
- 北方領土(ほっぽうりょうど):北海道の東端、オホーツク海に連なる択捉(えとろふ)島・国後(くなしり)島・色丹(しこたん)島・歯舞(はぼまい)群島の総称。日本固有の領土ですが、第二次世界大戦末期から現在もロシアによって不法占拠されています。
2. アイヌの歴史と「屯田兵」による開拓
独自の文化を持つ先住民族と、明治以降の近代国家としての開拓の歴史があります。
図2:明治時代に北海道の開拓と北方の警備にあたった「屯田兵」
- アイヌの人々:古くから北海道周辺に居住し、自然を神(カムイ)として敬う独自の言語や宗教・文化を持つ先住民族です。明治以降の開拓政策の中で、従来の生活様式が厳しく制限されました。
- 屯田兵(とんでんへい):明治時代に、ロシアに対する国境警備と、北海道の大規模な「開拓」のために全国から集まった、農業を行いながら警備にあたった兵士たちです。
- 計画都市・札幌市:道庁所在地である札幌市は、明治期の計画的な開拓によって建設されました。京都などをモデルにした、碁盤の目(ごばんのめ)状の規則正しい街路が大きな特徴です。
3. 日本を支える超大規模な「畑作と酪農」
日本一の食料自給率を誇る北海道の農業は、広大な土地と機械化による低コスト・大量生産が特徴です。
図3:計画都市として碁盤の目のように綺麗に整備された札幌の市街地
- 大規模農業:1戸あたりの耕地面積が極めて広く、トラクターなどの大型機械を用いて省力化し、大量生産を行うのが特徴です。
- 十勝平野の輪作(りんさく):十勝平野では、同じ土地で毎年同じ作物を育て続けると土壌の栄養が偏って病気が発生しやすくなる(連作障害)ため、じゃがいも、てんさい(砂糖の原料)、小麦、大豆などを毎年順番に植え替える「輪作」が徹底されています。
- 根釧台地(こんせんだいち)の酪農:夏でも非常に冷涼で濃霧が発生しやすく、作物の栽培に適さない東部の根釧台地では、広い草地を利用して乳牛を育てる「酪農」が極めて盛んです。
- 石狩平野の客土(きゃくど):石狩平野は、水分を多く含んで泥炭地(でいたんち)と呼ばれる農業に向かない湿地帯でした。これを改良し、日本屈指の稲作地帯にするために、他の地域から水はけの良い良質な土を運び入れる「客土」という大規模な土地改良が行われました。
- その他の産業:かつては各地の炭鉱から石炭が盛んに採掘されていましたが、エネルギー革命で閉山しました。オホーツク海や内湾(噴火湾など)では、ホタテや昆布などの「養殖漁業・栽培漁業」が盛んです。知床などでは、自然を守りながら観光を行うエコツーリズムが進んでいます。
🔥 定期テスト対策・暗記のコツ
① 輪作の目的(記述ターゲット!)
「十勝平野などで輪作を行うのはなぜか?」➔「毎年同じ畑で同じ作物を育て続けることで発生する、連作障害(病気や栄養の偏り)を防ぐため」と完璧に書けるようにしておきましょう!
② 根釧台地で酪農が盛んな理由
「根釧台地で畑作や稲作ではなく酪農が行われる理由は?」➔「夏の気温が非常に冷涼で霧が発生しやすく、作物の栽培には適さないが、牛の飼料となる牧草の生育には向いているため」です。気候と牧草がキーワードです。
③ 泥炭地の改良(客土)
石狩平野の湿地帯を「泥炭地」、そこへ良い土を入れる工夫を「客土」と呼びます。この2つの用語は非常に漢字テストで出やすいので、正しく書けるようにしてください。
④ 北方領土の4つの島
「択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島」の名前と漢字をしっかり覚えましょう!特に「択捉」「歯舞」は漢字の間違いに注意してください。