単元5: 家族・高齢者と子どもの成長
私たちが生活する「家庭」の役割や、そこに暮らす家族メンバーの自立、そして「乳幼児の身体と心の発達」について整理します。幼児の生活の中心である「遊び」の意義や、子どもの権利を守る社会の仕組みなど、テストによく出る記述ポイントをしっかりと押さえましょう!
1. 家庭の機能と自立
家庭は生活の基盤であり、人間が成長し自立する場です。
① 家庭の機能(働き)
- 衣食住などの生活の場を営み、心の安らぎを得る。
- 伝統的な行事やマナー、遊びなどを通して、次の世代へ文化や価値観を伝える。
- 家事労働を外部のサービス(例:掃除代行サービス ➔ 住生活の外部化)に頼ることもできます。
② さまざまな「自立」
| 自立の種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 精神的自立 | 自分の意見をもち、自分で考えて判断できること。 |
| 生活的自立 | 衣食住の管理や身の回りのこと(家事など)を自分でできること。 |
| 経済的自立 | 働いて収入を得て、自分で生計を立てられること。 |
③ 男女共同参画社会とワーク・ライフ・バランス
- 男女共同参画社会基本法(1999年):性別に関係なく、互いに人権を尊重し、個性と能力を発揮できる社会を目指す法律。
- ワーク・ライフ・バランス:仕事と個人の生活(家庭や地域活動)を調和させ、両立させる生き方・働き方。
- ヤングケアラー:本来大人が担うべき家事や家族の介護、幼いきょうだいの世話などを日常的に行っている子ども。子どもの発達や学習機会を奪う社会問題となっています。
安らぎの場としての家庭
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
2. 乳幼児の発達段階
子どもの発達には、年齢ごとに異なる特徴(発達段階)があります。
① 成長の区分
- 乳児期(にゅうじき):生まれてから1歳になるまでの期間。
- 幼児期(ようじき):1歳から小学校に入学するまでの期間。
② 身体の発達とその方向性
幼児の身体は単に大きくなるだけでなく、一定のルール(方向性)に従って発達します。テストでの出題率が極めて高い部分です。
- 中心から末端へ:肩や腕などの体幹に近い部分(中心)から、手や指先などの末端部分へと運動機能が発達します。
- 頭部から脚部(下)へ:頭を支える(首すわり) ➔ お座り ➔ 歩く のように、上から下へ向かって発達します。
- 体型の特徴:幼児は身長に対して頭部が大きいため、重心が高く、バランスを崩して転びやすい特徴があります。
③ 心(情緒)の発達と第一反抗期
- 情緒(じょじょ):喜び、悲しみ、怒りなどの心の動き。
- 第一反抗期(イヤイヤ期):2〜3歳ごろに自我が芽生え、「いや!」「自分で!」などと強く自己主張して大人の指示に従わなくなる時期。
- ふれあいの工夫:幼児と接するときは、恐怖感を与えないように目線の高さを幼児と同じにすることが大切です。
身体発達の方向性(中心から末端、頭から足へ)
自己主張と自我の芽生え(第一反抗期)
3. 幼児の生活習慣と遊び
① 基本的生活習慣と社会的生活習慣
- 基本的生活習慣:食事・排泄・睡眠・衣服の着脱・清潔など、健康に生きていくために毎日行う習慣。
- 💡 幼児は胃が小さく、3回の食事だけでは必要な栄養素を取りきれないため、「おやつ(間食)」で栄養を補う必要があります。
- 社会的生活習慣:挨拶をする、公共のマナーを守る、約束を守るなど、社会の一員として身につけるべき習慣。
② 遊びの意義と変化
- 幼児の生活の中心は遊びであり、身体機能や言葉、コミュニケーション能力は遊びを通して発達します。
- 遊び方の発達的変化:
一人で遊ぶ ➔ 友達のそばで遊ぶ(並行遊び) ➔ 大勢でルールを決めて協力して遊ぶ(集団遊び)
- 伝承遊び(でんしょうあそび):おにごっこ、かくれんぼ、あやとり、折り紙などのように、古くから世代を超えて受け継がれてきた遊び。
③ おもちゃの安全性
- STマーク(Safety Toy):日本玩具協会が定めた安全基準に適合したおもちゃにつけられるマーク。
- おもちゃの選択基準:幼児の興味関心や安全面のほか、幼児の発達段階に合っているかを考慮します。
- 盲導犬マーク:目の不自由な子どもも一緒に安全に遊べるように工夫された「共遊玩具(きょうゆうがんぐ)」につけられるマーク(犬の顔のイラスト)。
健康に生きるための基本的生活習慣
公共マナーなどの社会的生活習慣
安全なおもちゃを示すSTマーク
4. 子どもの権利と共生社会
- 子どもの権利条約(1989年国連採択):子どもの基本的人権を保障する国際条約。「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つが柱です。
- 児童憲章(1951年日本制定):日本国憲法の精神に基づき、「児童は人として尊ばれる」と宣言した子どもの権利宣言。
- 保育所:厚生労働省管轄。0歳から就学前の乳幼児を「保育」する児童福祉施設。
- 幼稚園:文部科学省管轄。3歳から就学前までの幼児を「教育」する学校。
- 認定こども園:保育所と幼稚園の両方の機能を併せ持つ施設。
- 子ども食堂:十分な食気がとれない子や一人で食事(孤食)をしている子に、無料や安価で食事と温かい居場所を提供する地域活動。
- 共生(きょうせい):家庭科が目指す目標は、他人の指示を受けずに一人立ちする「自立」と、異なる人々が周囲と支え合って生きる「共生」です。
③ 保育施設の種類
子どもたちが過ごす「保育所」
両方の機能を併せ持つ「認定こども園」
🔥 定期テスト対策・暗記のコツ
① 幼児の身体発達の方向
「中心から末端へ(指先で細かい作業ができるのは最後)」「頭部から脚部へ(立つ前に首がすわる)」。この2つの方向性は非常によく記述や穴埋めで狙われます。体の重心が高くて転びやすい特徴とセットで覚えましょう。
② 基本的生活習慣と社会的生活習慣の分類
「食事、排泄、睡眠、着脱衣、清潔」の5つが基本的生活習慣です。これらは生きていく上で必須の生理的習慣です。「挨拶」や「マナー」は他者との関わりの中で必要となる社会的生活習慣です。ごちゃ混ぜにしないように!
③ 精神的自立の意味
自立にはLives(生活的)、Money(経済的)、Mind(精神的)などがありますが、「自分の意見を持ち、自分で考えて判断すること」は精神的自立です。テストの定義記述で非常によく出題されます。