中学音楽(鑑賞曲)
鑑賞曲⑤ (能「敦盛」・日本の民謡・世界の音楽)
室町時代から伝わる日本の伝統仮面劇「能」、日本の各地で歌い継がれてきた「民謡」や祭礼の「郷土芸能」、そして世界の多様な民族楽器やポピュラー音楽の潮流の3分野を解説します。都道府県や楽器の対応、独特の音階を確実に暗記しましょう!
1. 能 「敦盛(あつもり)」
シテが能面をかけて演じる、室町時代から伝わる歌舞劇。
① 基本データ
- 大成した親子:観阿弥(かんあみ)と世阿弥(ぜあみ)(室町時代に能の芸術性を極限まで高めました)
- 成立した時代:室町時代
- 支援した将軍:室町幕府第3代将軍の足利義満(あしかがよしみつ)
- 音楽の役割分担:
- 謡(うたい/地謡):コーラス(合唱)のように物語の状況や感情を歌うグループ。
- 囃子(はやし):楽器での伴奏を担当するグループ。
② 登場人物・舞台・楽器
- シテ ➔ 能の上演における主役のこと。多くの場合は亡霊や神仏などの超自然的な存在で、面(おもて)をかけて舞います。
- ワキ ➔ 主役の相手役をつとめる脇役のこと。面はかけず、現世に生きる人間(僧侶や武士など)を演じます。
- 橋掛り(はしがかり) ➔ 能舞台の左奥から本舞台へと長くのびた、廊下のような通路。登場や退場の際に重要な演出として使われます。
- 囃子(伴奏)で使われる楽器(4つ):
- 笛(能管[のうかん]) ➔ 唯一の管楽器(主旋律や合図を吹く)。
- 小鼓(こつづみ) ➔ 紐(しらべ)を握る左手で音高を変える打楽器。肩にのせて打ちます。
- 大鼓(おおつづみ) ➔ 固く締められた革を力強く打つ打楽器。左腰に構えて打ちます。
- 太鼓(たいこ) ➔ バチを使って打つ、最も大きい打楽器(曲の盛り上がりやシテの舞の伴奏に用います)。
2. 日本の民謡と郷土芸能
日本各地の生活や仕事の中から生まれ、口づてで伝えられてきた「民謡」や、祭礼などで披露される「郷土芸能」です。テストでは曲名と都道府県のペア、および音階名が頻出です。
① 民謡・郷土芸能と都道府県の対応
ソーラン節(北海道)
津軽じょんから(青森県)
佐渡おけさ(新潟県)
こきりこ節(富山県)
こんぴら船々(香川県)
五木の子守唄(熊本県)
谷茶前(沖縄県)
秩父夜祭(埼玉県)
天神祭(大阪府)
阿波おどり(徳島県)
博多祇園山笠(福岡県)
② 日本独自の5音音階(テスト空欄補充必出!)
- 沖縄(琉球)音階 ➔ 「谷茶前」などで用いられる音階。「レ」と「ラ」が抜けた特有の5音(ド・ミ・ファ・ソ・シ)からなり、南国らしい明るい響きが特徴です。
- 民謡音階 ➔ 「こきりこ節」などで用いられる、日本の民謡に最も多く見られる音階。「レ」と「ソ」が抜けた5音からなります。
3. 世界の音楽
世界の多様な民族の歴史や生活の中で育まれた楽器や、19世紀以降に広まったポピュラー音楽の特徴です。
アジア、アラブ、アメリカなど世界各地に伝わる特色ある楽器と音楽ジャンル。
- タブラー(インド) ➔ 2個1対の、高音用と低音用の太鼓からなる北インドの代表的な打楽器。指先や手のひらを駆使して複雑なリズムを奏でます。
- ゴスペル(アメリカ) ➔ アフリカ系アメリカ人が歌い始めた、キリスト教の神への賛歌。ソウルフルな合唱スタイルが特徴。
- 京劇[ジンジュ](中国) ➔ 中国の代表的な伝統的歌舞劇。独特の高音の歌声や、アクロバティックな演技・立ち回りが特徴。
- ウード(アラブ諸国) ➔ アラブの伝統的な撥弦楽器(ひっぱって音を出す弦楽器)。日本の「琵琶(びわ)」の祖先にあたります。
- フラメンコ(スペイン) ➔ スペイン南部のアンダルシア地方で生まれた音楽。歌(カンテ)、踊り(バイレ)、ギター(トケ)の激しい掛け合いが特徴。
- ジャズ(アメリカ) ➔ 19世紀末にアメリカのニューオーリンズで生まれた音楽。楽譜通りでなく、その場の即興で演奏を作り上げる即興的な演奏法(アドリブ)が最大の特徴です。
🔥 定期テスト対策・暗記のコツ
① 能の囃子楽器(4つ)の名称
能管(笛)、小鼓、大鼓、太鼓の4つです。大鼓は「おおつづみ」、小鼓は「こつづみ」と読みます。それぞれの漢字を正しく書けるようにしてください。
② 音階の「何抜き」か(超頻出!)
「レとラが抜けているのは沖縄(琉球)音階」、「レとソが抜けているのは民謡音階」です。どちらが何の音を抜いているのか、テスト前に必ず再確認しておきましょう!
③ 世界の音楽の「ウード」と「ジャズ」
琵琶に似たアラブの楽器は「ウード」です。また、ニューオーリンズで生まれ、アドリブ(即興的演奏法)を特徴とするのは「ジャズ」です。それぞれの記述と記号選択の対策を徹底しましょう!