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社会のweb教科書

歴史・近世 | 定期テスト対策&高校受験の基礎固め

16. 江戸幕府の成立と支配の仕組み

豊臣秀吉の死後、天下の覇権をめぐって再び日本は二分されました。これを勝ち抜いた徳川家康が開いた「江戸幕府」は、その後約260年もの間、戦争のない平和な時代を維持することになります。今回は、江戸幕府がどのようにして大名や農民を厳しくコントロールし、長期政権の土台を築き上げたのかを解説します!

1. 関ヶ原の戦いと江戸幕府の成立

豊臣秀吉が亡くなると、五大老の中で実力No.1であった徳川家康(とくがわいえやす)と、豊臣家を守ろうとする石田三成(いしだみつなり)らの対立が激しくなりました。

① 関ヶ原の戦い(1600年)

1600年、美濃(岐阜県)の関ヶ原で、徳川家康率いる「東軍」と、石田三成率いる「西軍」が激突しました。この戦いは「天下分け目の戦い」と呼ばれ、全国の大名が二手に分かれて戦いましたが、西軍側の裏切りなどもあり、わずか1日で東軍(家康側)が大勝利を収めました。

② 江戸幕府の誕生と豊臣氏の滅亡

関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康は、1603年に朝廷から征夷大将軍に任命され、江戸(東京)に幕府を開きました。家康はその後、大坂冬の陣・夏の陣(1614、1615年)において、大坂城に拠る豊臣秀頼らを滅ぼし、国内に徳川氏の絶対的な支配権を示しました。

関ヶ原の戦い

図1:天下の覇権をめぐって東軍と西軍が激突した「関ヶ原の戦い」のイメージ

2. 大名を支配する仕組み(幕藩体制)

江戸幕府は、将軍が直接支配する土地(幕領)のほかに、各地の土地を大名に支配させました。大名が支配する地域や組織を藩(はん)と呼び、この幕府と藩が協力して日本全国を支配する体制を幕藩体制(ばくはんたいせい)と呼びます。大名に対しては、以下の厳しい「アメとムチ」の政策を行いました。

① 大名の配置(親藩・譜代・外様)

幕府は、大名を徳川家との親密度(信頼度)に応じて3種類に分類し、謀反を防ぐために配置を厳しく工夫しました。

大名の配置

図2:江戸周辺や交通の要地を譜代大名で固め、外様大名を遠方に置いた配置のイメージ

② 武家諸法度(ぶけしょはっと)

第2代将軍の徳川秀忠の時代(1615年)に、大名が守るべき法律である武家諸法度(ぶけしょはっと)を制定しました。これにより、大名が勝手に城を修理することや、大名同士が幕府に無断で結婚すること(同盟を結ぶのを防ぐため)が厳しく禁止されました。

③ 参勤交代(さんきんこうたい)の義務化

第3代将軍の徳川家光(とくがわいえみつ)は、大名に対し、1年おきに江戸と自らの領地を往復することを義務付けました。これを参勤交代(さんきんこうたい)と呼びます。大名の正妻や跡継ぎは「人質」として江戸に住まわされました。

大名は多くの家臣を連れて大名行列を行い移動しなければならず、旅費や江戸での滞在費として莫大な費用(藩の財政の半分近く)を強制的に使わされました。これにより、大名の財政を圧迫し、幕府に反抗する軍事力を蓄えさせないようにしたのです。

3. 厳しい身分制度と農民の支配

幕府は、社会の秩序を固定化し安定させるため、兵農分離をさらに強化した厳しい「身分制度」を定めました。

身分 特徴と役割
武士(ぶし) 支配階級。名字を名乗り刀を差す特権(名字・帯刀)や、無礼な町人・百姓を斬っても処罰されない特権(切り捨て御免)を持ち、政治と軍事を担当。
百姓(ひゃくしょう) 全人口の約8割を占める農民など。重い年貢(収穫の四公六民や五公五民など)を納める義務があり、衣服や食べ物、行動まで細かく制限されました。自作農である「本百姓」と、小作農である「水呑百姓」に分けられます。
町人(ちょうにん) 城下町に住む職人や商人。税(町役)を納め、商工業を担当しました。

※これらの身分とは別に、制度の外に置かれ厳しく差別された人々が存在しました。幕府は、身分間の対立や差別を意図的に維持することで、支配されている人々が団結して幕府に反抗するのを防ぎました。

① 五人組(ごにんぐみ)による共同責任

農村の百姓たちに対しては、年貢を確実に取り立て、犯罪を防ぐために、近隣の5世帯程度を1つのグループとする五人組(ごにんぐみ)を結成させました。

もしグループの中の1人が年貢を納められなかったり、犯罪を犯したりした場合、グループの全員が連帯責任を取らされて厳しく処罰されました。これにより、お互いに監視し合う社会を作ったのです。

🔥 この単元のテスト対策・暗記のコツ

  • 関ヶ原の戦いの年号
    1600年。「群れ(1600)をなして関ヶ原へ」と覚えましょう。
  • 大名の区別と老中になれる大名
    ・親藩、譜代、外様の区別。特に、「幕府の重要な政治を行う老中(最高職)になれるのは『譜代大名』のみ」という点が選択問題で狙われます。
  • 参勤交代の記述問題対策
    ・目的:「大名に多額の出費を強制して財政を圧迫させ、幕府に謀反(反乱)を起こす軍事力を奪うため」と書けるように練習しておきましょう。
  • 五人組の仕組みと目的
    ・「数世帯でグループを作らせ、年貢の納入や犯罪防止を連帯責任とすることで、お互いを監視させ、年貢の取りこぼしを防いだ」という目的が重要です。
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